異世界へ
今日、雪虫が飛んでいるのを見つけました。今年は9月下旬から、早くも目撃情報が出ているようでしたが、私にとっては今日が雪虫初日です。天気が下り坂のときの空のにおいは、夏のそれとは明らかに違っていていました。つまり、冬のにおいがしていたのです。少し前に降り出した雨も、雪だったとしても不思議ではないような、とても冷たい雨です。さて、今年の初雪はいつ頃になるでしょうか?
山の木々は役目を終えた葉っぱたちが、大地に、湖に、まさに還らんとしているところです。何度も近くを訪れていたはずなのに、数年前まで全く知らなかった場所へ行ってみました。湖の中へと続く線路が、有名なアニメ映画の実写版のようだと、SNSなどで知られるようになった所です。ほんとうに、落ち葉が散りばめられた湖の中へ、線路が進んでいます。澄んでとてもきれいな水ではありますが、すでに木枯らしにさらされた体では、とてもじゃぶじゃぶと入って行く気持ちにはなれません。岸の上から、線路の先の景色を想像するばかりですが、なんだかそれだけでも面白い気もしてきました。
この湖は、北海道でも最も標高が高いところにある自然湖で、最大水深は98.5mです。水の透明度も10mもあるそうですから、湖の上から水中を覗いてみたら、ずいぶんと深いところまで見渡せるのかもしれません。実際には、この線路は実用的な目的で敷かれたものですので、そう深いところまでは続いていないのかもしれませんが、それでも、2本のレールと枕木とが、美しい水の底へと誘われていく姿を想像すると、それは異世界の入り口へ向かうような景色なのではないかと思えてきます。
沢山の情報が溢れ、AIの力を借りれば得られない答えははないようにも思える世界ではありますが、見えそうで見えない、行けそうで行けない、手が届きそうで届かない、そんなところこそ想像の力を発揮できる場所でもあります。これからは、そんな余白を見つけ出すことも、楽しみのひとつになるのかもしれないな、そう思わせるような景色でした。
