しばれた朝

 温暖化の影響と言えるのかどうか、十勝の冬も少しずつ、雪の量や質、寒さの度合いが変わってきているように感じます。だからなのか、容赦なくしばれた朝がくると、「やっぱり十勝はこうでなくては」と少しほっとするような、嬉しいような気持ちになります。
 先週は気温がマイナス20度を下回るような朝が続きました。外に出て大きく息を吸い込めば、鼻の奥がツンと凍るのが分かります。自分の吐いた息で髪の毛は白くなり、頬は感覚を失いひきつったようになります。早歩きをするだけで息苦しささえ覚えます。こんな厳しい寒さの夜を、動物たちはどう越えてゆくのだろうと、ふと頭をよぎります。
 朝日が顔を出した後のわずかな時間、一気に立ち上がった川霧が街へ向かって流れ出し、漂う小さな氷の粒が太陽を反射して、辺りに光が溢れ始めると、そこは空の浮島のように幻想的な景色へと変わっていきます。目覚めたばかりの地球の呼吸が、静かに聞こえてくるような朝です。
2015年02月09日
        
        
        
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