畑の中
何年か前に菜園に植えたイワミツバが、年々、他の植物たちをのみ込みそうな勢いで増えていたので、今年はプランターに鉢上げをして育てていました。人間たちが暑さに参っている間に、イワミツバの葉の上では、キアゲハの幼虫が何匹か元気に育っていて、気が付いた時には立派な大きさになっていました。でも、当然、その大きさになるまで沢山葉っぱを食べ続けたようで、少し前まで青々としていたはずのイワミツバは、日に日に緑の部分が減っていき、ついには枯れた下葉しか残らなくなりました。蛹になるタイミングだったからなのか、食べられる葉が無くなったからなのかは分かりませんが、それと同時に幼虫の姿も見えなくなりました。いやはや、畑の中にもまだイワミツバは沢山生えていて、最初からそちらにいれば、餌を食いつくすこともなかったでしょうが、どうしてプランターという限られた空間で育つことになったのか・・・。
自然界では、元の状態に戻そうという力が様々な方向から働いて、ちょっとした変化が起こっても、その緩衝作用によって、極端な状態に傾いたままになることはあまりありません。でも、プランターの中のように多様性のない非常に限られ空間では、変化の速度に緩衝作用が追い付かず、あっという間に資源が尽きるということが起こり得ます。多様性が保たれているということは、変化を乗り越える力が強いことを意味しているのかもしれません。
我が家の菜園は、暑さにやられたり、虫にやられたり、人間の勉強不足により、まだまだ課題が残ります。狭い空間の中に、思いついたことを詰め込み過ぎるきらいがあり、多様性を目指しているというよりも、単に欲張りなだけなのでは、という指摘も。否定しきれないのがつらいところですが、それでもやはり、人間も含め、生き物たちが生き生きと暮らせる空間が理想であることには変わりがありません。そう言えば、枝豆の収穫を終えた土をおこしていたら、黄色いゲートボールの玉が出てきてびっくり!キツネ、でしょうか・・・。他の誰かが密かに植えていることもあります。
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