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黒い影を追って

 「タタタタタタタッ!タタタタタタタッ!」と響き渡る音で目が覚めました。朝の4時半、久しぶりの目覚し音です。ここはクマゲラが住む森だということを再確認するにふさわしい一日の始まりです。
 続けて「コココココッ!」と響いてきたのはアカゲラでしょうか。やや軽い音です。そして、小さく「トトトトト」。ゴジュウカラ?コゲラ??続けて聞いていると、木を叩く音だけでも鳥の種類の違いは分かるものだなと、楽しくなってきました。
 クマゲラが見たいな~と、夢うつつの頭が起床を促します。同じ思考をたどった人がいたかどうかはわかりませんが、周りのテントからも人の動き出す気配がしてきました。8月も半ばになれば、朝晩はぐっと冷え込むのが北海道の夏ですが、空は厚い雲に覆われて湿度もあり、さほど寒さを感じません。望遠レンズを携えて、朝の散歩に出かけます。
 さすがにクマゲラを養うことができる森なだけあって、一本一本の木が大きく高い!ゆえに、音が聞こえてくる方を見上げても遠いし、望遠レンズで覗いても逆光で姿が黒い!クマゲラなら黒い姿も当たり前なのですが、音と合わせて判断するとその遠い影はクマゲラではなさそうです。いつも、どこへ行っても思うけれど、鳥よりも早起きするのは本当に難しいものです。
 何年振りかにやってきた場所で、クマゲラたちが変わらず元気に暮らしていることを知ることができたのは嬉しい収穫でしたが、一方、夜にはカブトムシを見つけて複雑な気分にもなりました。北海道にとってカブトムシは外来種ですが、おそらく道内でも生息域をどんどんと広げているのでしょう。彼らは子供たちの憧れの的だと分かっていても、北海道らしさが少しずつ削られていくようで、心の中には小さな波が立つのでした。


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