不思議の引き出し
道内からは初雪の知らせも届くようになりました。秋の日はつるべ落としとは、秋の落日が急激に早くなっていくことを表す言葉ですが、今年は気温にも同じ印象を受けています。ついこの前まで冷房が必要だったのに、このところは朝晩に暖房が恋しくなるほど、冷え込むようになっていました。そんな中での初雪の知らせです。やっぱりなぁ~と、9月半ばなのに早くも暖房のスイッチを押してしまった背徳感というのか敗北感というのか、抱いていた微妙な感情が、少しだけ薄まります。
気温の変化に伴い、山沿いでは紅葉の気配もぐっと近くなりました。アジサイに似た白い花を咲かせるオオカメノキの葉が、赤く色づいていました。葉の先端近くは緑から赤へとグラデーションになっていている一方で、葉の付け根近くには緑と赤の境界線をしっかり認めることができます。紅葉という同じ現象の中にも、デジタルとアナログの反応が混在しているのかと、不思議に思います。光の当たり方?乾燥??病気???モミジなどでも似た現象を見ることがあり、そのたびに、また紅葉の仕組みを一からおさらいしますが、それでも解決されずに残った疑問は、“不思議”という懐の深い引き出しの中へ仲間入りです。誰か教えてほしい!でも自分で解明もしてみたい!暑さから解放された頭は、澄んだ空気に漂う秋の香りに、じわじわと探求心を刺激されていきます。
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