HUENS(ヒューエンス)ロゴマーク

Human Engineering & Systems

Instagram rss
  1. HOME
  2. トピックス
  3. 今週のヒューエンス

トウモロコシ畑で

 越冬地へ向かうガンたちがやって来ていると聞きつけて、目星の中継地へやってきてみると、根本近くまで刈り取られた後のトウモロコシ畑に、マガモやヒシクイなど見慣れた渡り鳥たちの姿がありました。ここまでの道のり、草地ではサイレージを作るため白いビニールでぐるぐるにラッピングされた牧草があちこちに転がっていたので、遠くに見える大きな白い影は、牧草ロールだとばかり思っていました。なので、だんだんと近づいて、それらがみんなタンチョウだと気付いた時は少し驚きました。その数ざっと30羽以上です。普段、タンチョウの姿は見慣れているとは言うものの、それはせいぜい数羽の話であって、鶴居村のサンクチュアリー以外の自然環境で、これほどタンチョウが集まっているのを見たのは初めてです。
 集まっているのは成鳥ばかりで、幼鳥の姿はありません。タンチョウの子離れは2月頃と聞いていますし、冬のサンクチュアリーでも必ず幼鳥は親と一緒に過ごしています。ということは、ここに集まっている成鳥たちは、子どものいない鳥たちなのでしょうか?
 昼下がりから太陽が沈むまでの間、しばらく観察を続けていましたが、採餌だけではない行動がいくつも見られました。細い木の枝を投げてみたり、何度も何度も飛び上がってみたり、近づいてきたタンチョウを「シャーっ」と威嚇しながら追いかけてみたり・・・。ダンスのように見えなくもない仕草も、周りで見ているタンチョウがそれに反応することはほとんどなく、終始傍観という雰囲気です。もしかしたら、まだペアの決まっていない若い鳥たちが集まり、求愛ダンスの練習をしたり、どんな相手がいるのか観察したりしているのかもしれません。人間の世界で言うところの社交クラブと合コンと間のようなものでしょうか。ご飯を食べながら、というところは人もタンチョウも共通しているようです。
 タンチョウの恋の季節は、北の大地が凍てつく冬の真っ只中だそうです。しっかりと体力をつけ、あと数か月のうちに生涯の相手を見つけ、親になる準備もしなければいけないということです。もしかしたら、のんびりとした見た目以上に、このトウモロコシ畑は重要な場所なのかもしれません。


インスタグラム版はこちら!
カテゴリ
今週のヒューエンス
タグ
十勝の景色生き物
更新日
閲覧数
143
↑ページ先頭へ