人は一度経験したことがある事に対しては、感じる時間が短く感じるのだそうです。確かに、初めて通る道でも、行きより帰りの方が早い感じがしますし、歳を重ねるごとに１年の長さがどんどんと短くなって感じられるのも、初めて経験する事柄が年々少なくなるからだと言われています。 　年末にさしかかり、自然とこの１年の長さというものを振り返ってしまいます。いつもであれば、きっと、「今年もあっという間だった」と多くの人が感じながら、年越しを迎えることでしょう。でも、未曾有の災害に見舞われた今年、被災地の人達はどれほど長い１年を過ごしたのでしょうか。これまで経験したことのない深い悲しみや不安に直面し、眠れぬ日々が続いたであろう方達にとって、2011年という年は本当に長かったのではないかと思います。時間は皆に平等に与えられていると言いますが、人が感じる時間の長さというのは、決して同じではないのです。 　今年を振り返り、１年間が短く感じたのであれば、それはとても恵まれた年だったのだと思います。寒さが深まるにつれて、その有難さを身に沁みて感じてしまいます。

2011年11月28日

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