株式会社 ヒューエンス
HUENSは、水と空気をきれいにして、自然に戻す
環境浄化システムをご提供させていただく会社です。

 音羽橋


 日曜の日の出前、ずらりと三脚が立ち並ぶ橋があります。音羽橋です。
 大寒を4日後に控えたこの日の気温はマイナス21度、暖かい部屋の温かい布団の中でまどろんでいているのが至福な時間に、20人を優に超える人たちが、カメラを携え寒さに震えながら見つめる先は、タンチョウのねぐらです。
 一体何羽のタンチョウが集まっているのでしょうか。青白い川からは霧が立ち上り、木も草も橋も電線までも皆、ダイヤモンドの粉を吹き付けられたように輝いています。どんなに着込んでも私の足や手の指は芯から冷え、痛みさえ感じられるほどですが、彼らは川の中で餌をついばんだり、羽を大きく広げて身体を伸ばしたり、川の流れと同じくらいゆったりと朝の時間をくつろいでいます。そして、ペアが鳴き交わしの声が響き渡ると、一変、厳粛な空気が流れます。しびれるような瞬間に、誰もがカメラを操作する手を止め、遠くの一点に視線が集まります。
 やがて太陽が顔を出し、川霧が黄金色に染まり始めると、彼らの出かける時間です。大きく白い羽が、冷たい空気をかき分けて舞い上がってゆく音を、まぶしくまた名残惜しく見送りました。
 
 今日は今週のヒューエンスの更新が500回目にあたります。記念すべき日にどんなことを書こうか、また、おめでたい日にはやはり鶴の写真がよいかと、事前に考えてもいましたが、そんなことも吹き飛ぶほどの景色に立ち会うことができました。このページを任せてもらえたお蔭で、忘れられない思い出がどんどんと増えました。知れば知るほど自然は奥深く、想像をはるかに超えるものであるからこそ、次の楽しみが尽きることはありません。その有難さを忘れずに、これからも、新たな気持ちで1週間を見つめていきたいと思っています。


2016年01月18日