雨のち
厚い雲の下を、イワツバメたちが飛び交っていました。カッコウやエゾハルゼミは初夏の音を運んできますが、ツバメたちは初夏の風景を運んでくるような気がします。ハサミで布を裁つように、シュッ、シュッと、灰色の空に小気味良い線をいくつも描いていきます。ほどなく雨がざ~っと落ちて少し肌寒くなりましたが、これも今は生き物たちを生き返らせる恵みの雨です。土のにおいが立ち込めてくるのを感じたくて、少しだけ窓を開けたままにして過ごしてみたりします。秋の雨ともちょっと違う、やっぱり初夏の香りがします。
「自然現象の中で雨というものほど、人生に食い入っているものはない」ずいぶん前に読んだ本の一文を思い出しました。雨が降り出しても、雨が止んでも、虹が出ても、霧のような雨でも、豪雨でも、冷たい雨でも、熱い雨でも・・・、確かにどんな表現の雨も、人生の一場面を連想させる力をもっていると思い当たって、目からうろこが落ちたのでした。
自身の人生においては、そんなドラマチックな雨の思い出にはからっきし縁はなく、雨の音を聞くとキャンプに行きたくなるという、あまり一般的ではない(むしろ逆方向の)欲ばかりが浮かんできてしまいます。天候が悪く山歩きができない週末にはキャンプに行くという夏を、何年か続けていたからなのですが、テントが跳ね返す雨粒のリズムが心地よくて好きだったのです。でも、今週は、アウトドアでのミーティングです。美しい新緑の空気を味わいながら会社の未来を考える時間でもありますから、この日ばかりは、やはり雨よりも晴れがいいな~!
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