ノゴマの歌
朝6時前、美しい鳥の鳴き声で目が覚め、外を見てみると、お隣の物干しの上に、ノゴマのオスを見つけました。ノゴマと言えば、喉元のオレンジ色の前掛けと複雑で美しいさえずりが特徴の夏鳥です。北海道で子育てをする鳥で、山のハイマツ林や、帯広市内でも低い河畔林などで声を聞くことがありますが、本州ではあまり観察されないそうで、愛鳥家たちの憧れの鳥と聞いたことがあります。
先週のカワラヒワに続いて、近ごろ野鳥が豊作だと喜んでいたら、こちらはさえずりに熱心で逃げる様子はあまりありません。ふと、鳴き声が止んだと思ったら、メスも姿を現していました。「おや?」メスはこれまでほとんど見たことがありません。丁寧に羽を繕い、体を大きく伸ばしている姿に・・・これはもしや!
調べてみると、ノゴマは地上にお椀状の巣を作ってメスが抱卵し、その間、オスは縄張りを守るそうです。この状況は近くに巣があるということなのかもしれません。しばらく観察していると、オスも隣家の大きなフキの葉の下へもぐりこんでいく姿が何度か見られました。やはり!きっと巣をほどよく隠してくれるフキの生い茂った辺りで、メスが卵を温めているのでしょう。
さて、7月に入ってからというもの、雨と真夏日が繰り返される間に、菜園は野の草の園と化していました。ズッキーニもなんとか雑草たちとの競争に負けまいと、大きな葉を垂直に伸ばしていたくらいです。涼しくなった週末、このタイミングを逃すわけにはいかないと、半日かけて草刈りをしたところだったのですが、もしかしたら、その間に卵を温めているメスと知らず知らずに接近していたのかもしれません。草刈りを終えた後から、心なしか、オスの鳴き声がより大きく聞こえてくるようになった気がするからです。ごめんよ~心の中で謝りつつ、新たな心配も浮かんできました。ノゴマの存在に気付いたその直後、大きなハシブトガラスが庭先にやってきたからです。もちろんキツネも時々姿を見かけます。どうしてこんな人間の住宅街のど真ん中が選ばれることになったのか、ノゴマの住宅事情はわかりませんが、無事に子どもたちが巣立つまで、毎朝のノゴマの歌を確認しながら静かに見守りたいと思っています。
