HUENS(ヒューエンス)ロゴマーク

Human Engineering & Systems

Instagram rss
  1. HOME
  2. トピックス
  3. 今週のヒューエンス

かぶりつき

 私の姿を見るなり「チチチチッ」と威嚇したと思ったら、すぐ脇で「カリカリカリカリ・・・」と高速で聞こえてきた音があります。おなじみエゾリスたちです。両手で抱えているのはおそらくチョウセンゴヨウの松ぼっくりです。直径が15センチを超えることもあるという大きな松ぼっくりは、本来は一年以上をかけて熟すそうですが、エゾリスたちのお腹はそれを悠長に待ってはいられないようです。まだ茶色に変わる前の緑色のかさが全て外され、まだ柔らかいであろう松の実をトウモロコシのように食べています。
 人間が近づいてもお構いなしに続くカリカリ音を後に、神社でお参りを済ませ、併設されている公園をひとまわりして戻ってきても、そのリスはまだ同じ場所で同じ松ぼっくりにかぶりついたままでした。その執着ぶりを見るにつけ、よほど美味しいのかと感心していると、リスの目線の数メートル先に、まだかさが付いた状態の松ぼっくりがもう一つ落ちているのが目に入りました。
 「これが元の姿か~!」と近づいて写真を一枚、と振り向くと、リスがめいっぱい立ち上がってこちらを凝視していました。自分の食糧を盗られると思ったのかもしれません。ただならぬ気配に「ごめん、ごめん、とるつもりはなかったよ」と謝りながら、すぐにその場を離れました。彼らにすれば、大好きな木の実でやっとお腹を満たせる季節に入ったばかりです。興味本位で彼らの貴重な食糧に近づいて、不要な危機感をいだかせてしまったことに猛反省です。


インスタグラム版はこちら!
カテゴリ
今週のヒューエンス
タグ
生き物
更新日
閲覧数
33
↑ページ先頭へ