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夏の夕べ

 子どもの頃の夏休みの思い出は、今にして考えるとちょっと背筋がひやりとするような無鉄砲なことばかりだった気がします。ごろごろと雷が鳴りだしたら大きな木の下に隠れたり、クヌギの木をどんどんと蹴ってクワガタを探したり、用水路の中をひたすら歩いてくだっていってみたり・・・。雷が落ちたら、スズメバチを刺激したら、鉄砲水が起きたらなんて危険性を考えたことはありませんでしたし、大人がそれを叱って教えてくれた記憶もあまりありません。それでも、子どもたちの誰も怪我をすることも怖い目に遭うこともなかったのは、たまたま運がよかったからだけなのだろうか?と近ごろ考えることがあります。今では、熱中症やクマなどの野生生物に遭遇するリスクも加わって、それこそ夏休みは危険がいっぱいかもしれません。以前の方が自然と人間のかかわりにも寛容さがあったように感じられるのは、長い時間の浄化作用で不都合な記憶がそぎ落とされてしまっただけなのか?と、近ごろは考えてしまいます。
 朝から昼、昼から夕方へと気温がダイナミックに変化する日が増えると、夏雲も様々な表情を見せてくれるようになります。仕事を終えて外へ出た瞬間が、一番よく空を見上げているかもしれません。地平線近くの太陽から透明なオレンジの光が、雲筋に沿って写し出されていました。怪獣が火を吹いたような躍動感があり、足を止めて見入ってしまいます。それでも、ほんの数分の間に鮮明なオレンジはみるみる薄まって、夜の力が強くなっていきます。こんな景色にもいつでも会えるわけではないのだと思うと、今日は本当に運が良かったと一日を終えることができます。


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