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感謝

 低気圧一過の日曜日は、とても風の強い一日となりました。でも、こんな日は大抵、澄んだ青空の下に気持ちの良い秋の空気が満たされています。一歩外へ出てそれを感じたら、山へ行きたい!そんな衝動が湧き上がってきてしまいます。
 十勝岳を望む望岳台に着きました。頭上の空は相変わらず青いままですが、山並みに沿って真っ白な雲がずんずんと流れていきます。正面の十勝岳もその尖った頂を望むことはできませんでしたが、谷筋のところどころに、ぽつりぽつりと色づきが見られ、紅葉の季節がすぐそこまで来ていることを感じさせました。
 大きく「望岳台」と書かれた石碑より先に進んでいく人影も認められました。ここはそっくりそのまま十勝岳の頂上へとつながる登山道でもありますが、午後の時間帯でしたので、先へ歩いて行っている観光客がいるということなのでしょう。そんな姿を遠くに認めながら、もうずいぶん前にこの山に登った時のことを思い出していました。季節もちょうど今頃でした。
 その時登ったこの山の記憶は、とにかく疲れたというものでした。今にして思えば、そう距離が長い訳でもないのですが、まだ登山歴の浅い頃に挑戦したがゆえに、その印象が強く刻まれたのでしょう。急登がつらいのは誰しも想像のつくところかと思いますが、なだらかな登りが続くのも実はなかなかつらいものです。足はしっかり疲労をためていくにもかかわらず、高度が上がらず、目標地点を仰ぐばかりだからかもしれません。十勝岳はそのどちらも備えた山でした。前半から中盤は長くなだらかな裾野を歩き、最後に一気に急斜面を攻める、ギアを変えながら登ることができるような体力も経験もない頃の身には、ただひたすら我慢を続けることでしか、頂上への道はつながらなかったのかもしれません。
 そんなことを思い出しながら歩いていたら、つい自分も石碑の先まで歩いていました。「もう少し先の小高い場所に行ったら、もっと山がきれいに見渡せそうだ」つい、そう思ってしまうのです。実際にそこへ着いてみると、先にはまた同じようななだらかな道が続いているのが見えただけだったりして、少なからずがっかりするのですが、それでもまた「じゃぁ、あそこまで行ったら・・・」と、次の小高い場所に期待をかけてしまうのです。
 勝手な希望を描いては、現実とのギャップを知って残念がるなんてことを繰り返しているのは、我ながら成長がないことのようにも思えますが、一方で、知らず知らずに足は丈夫になり、そこそこの体力も備わってきているのに気づいたりもします。相変わらず同じことを心の中で思っていても、次に目指す場所は少し遠くになり、少し高くなり、つらいと感じる時間も減って・・・これを繰り返していたから、自分の足で歩ける世界を広げていけるようになったのかもしれません。
 今週のヒューエンスが1000回を迎え、社内でもお祝いをしてもらいました。すごいな!と自画自賛の自分と、もうそんな年月が経ってしまったのかと驚く自分と、次の1000回はどんなふうになるんだろうと期待する自分とが入り混じって、何だかふわふわとした心持ちです。でも、毎週HPをたずねてきて読んでくれた皆さんと、長い道のりを歩き続けさせてくれたヒューエンスとに、感謝の気持ちでいっぱいです。

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今週のヒューエンス
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