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種が舞う

 週末、自治体主催の自然観察会へ参加してきました。町内の山の散策路をゆっくり2時間かけてまわりながら、一年の三分の二は山に入っているという専門家から、樹木やキノコについて学ぶというものです。
 当日は昼からの雨をじりじりと待っているような重い雲が、空全体を覆っていました。でも、一緒に参加している子供たちは皆、はじけるような元気で寒さも吹き飛ばす勢いです。そんな彼らが虜になったのがオオウバユリの実でした。オオウバユリは高さが1.5メートルほどで、夏に黄緑がかったクリーム色の花を10個前後つけます。今の季節は、茶色い楕円形の実をつけている姿を林道わきに沢山見つけることができます。
 このオオウバユリの実の何が面白いのか。写真からもわかるように、実の中には扁平な膜をもった種がぎっしりと詰まっています。まっさらな紙が重ねられて束になっているかのように、それはそれはきれいに詰め込まれています。これをひとつ手に取って振ってみると、中の種が隙間から一斉に舞い出てきます。平べったい種についた膜のおかげで、ふわりふわり、ひらりひらりと旋回をするようにゆっくりと落ちていきます。小さな子供が手を掲げながら実を振ると、雪が舞うのともまた違った幻想的な世界が、子供たちの周りに現れるのです。
 それが楽しいようで、子供たちは歩く先々でオオウバユリを見つけては種を舞わせていました。こんな遊びを自分が子供の頃に知っていたら、間違いなく、片っ端から実を振って道端のオオウバユリの実を全部空っぽにするまで続けたに違いありません。今はそこまではしなくても、見つけたらやっぱり振ってしまうような気がします。

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