アート
年末年始を避けた週末、久しぶりに本州へ帰省する途中で美術館に立ち寄りました。ひとつは是非見たかった絵画の特別展で、もう一つは全く予備知識のなかった映像を組み合わせた作品の特別展でした。前者は期待していたとおりの満足が得られ、後者は写真や動画を使っていることもあり、アートと記録作品との境界はどこなのだろうかと考えるきっかけをつくってくれました。白いカンバスに自らの意思で色をひとつずつのせていく絵画や金属や石膏の塊から削り出していく彫刻とは異なり、写真や映像は、すでに存在しているものを写し取っているという性質からこの問いは出てくるのでしょう。そして、私自身がその側に近いということも、この問いが浮かんできた理由なのかもしれません。
実は、以前にも同じ問いを知人に投げかけたことがありました。その時は、写真は記録であってアートではないとの答えが返ってきたのですが、その後、写真も主観をもって切り取った一場面であるからアートだと言っている方もいて、なるほどとも思いました。
戻りの電車の中から、最後に故郷の雪景色を撮りました。流れていく車窓からオートフォーカスで撮ろうとすると、雪景色ではなくどうしてもガラスにピントが合ってしまいます。でも奥にぼやけている景色が、長く離れている間に少しずつ薄れてしまった故郷の記憶を表しているように見えました。主観をもって切り取ったわけではありませんし、偶発的にそう写ったというのが事実ではあるのですが、なんだかアートのような気がしてきました。
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