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芸術の秋

 紅葉前線は、出発点の大雪山系から随分と裾野までおりてきているようです。夏の間はおしなべて緑の野も、紅葉が始まると草木の個性が際立ってくるので、より見分けやすくなります。それと同時に、いろいろな形、いろいろな色が混ざり合った景色は、何だかそれだけで素敵なテキスタイルのデザインにでもなりそうで、あぁ、こうやって創作意欲を刺激されるから、芸術の秋と呼ばれるようになったのだろうと、勝手に解釈したりもしています。ウラシマツツジの目の覚めるような赤から緑へのグラデーション、つんつんとした針葉樹のようなガンコウランの葉と深い紫色の実、そして米粒型の小さなつやつやとしたコケモモの葉、絶妙な混生具合がやっぱりいい!
 この連休は、ずっと見たいと思っていた絵を見に行くことができました。絵にまつわる様々な物語を紐解きながら、最後にその本物と対峙するという展示構成となっており、その過程で、描かれた後に加わっていった物語も多く知ることもできました。こうして物語が明かされる過程は、推理小説の謎解きのようで、わくわくさせてくれます。でも、事前知識がなかったとしても、魅力的な作品は、その存在に触れただけで、想像をかき立てられたことでしょう。本物を目の前にすると、その存在感の大きさも、肌で感じることができます。
 世界の至宝となった作品は、できるかぎり原形を保つために、経年変化との戦いが課せられているかもしれません。しかし、一方で、年月を経たことで魅力を増した作品も、実は多いのではないかとも感じます。そして、見る私たち側の変化によっても、見えるものが違ってくるでしょう。そんな未来を想像したら、また絶対に見に行かなくてはと思ってしまいます。まんまと絵の魔力につかまっている自分に気づくのです。
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