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花見

 連休前まで続いた低温のおかげで、十勝の桜の見頃は、連休にぴったりと照準が合いました。晴れた朝には、大きなカメラを抱えた人が桜並木の河川敷を歩きながら撮影している姿を何人も見かけました。ふわっと漂う香りに少し濃いピンクのグラデーションのエゾヤマザクラは、ソメイヨシノの華やかさとは違った野趣を十分に残していて、北の厳しい自然の中に咲くに相応しい美しさがあります。
 そして、この季節の花見は、足元でも忙しく主役が入れ替わります。久しぶりに訪れた帯広市内の緑地では、まさに主役の座を誰が奪うのか、その戦いの最中のようです。大きな白い花びらをいっぱいに広げているオオバナノエンレイソウは、今まさにその頂点にいるようです。ところどころに見える紫のエゾエンゴサクは、自分の背を越したオオバナノエンレイソウにその座を譲るところでしょうか。そして、小さな白いニリンソウは葉の面積を大きく広げて、次の主役になろうと咲き始めています。
 いかにも生存競争の真っ只中のように書いてしまいましたが、実際にはそうではないのだろうと近ごろ感じます。順番にタスキをつないでいるだけなのかもしれません。ここに限ったことではなく、明るい林では、こうした植物たちが順番に咲いていく様子をよく見かけるからです。生息地を独占すること以上に、ともに生きていることのメリットがあるのでしょう。いずれにしても、こんなに華やかで繊細な野生の花畑が、街の真ん中にも残っているという環境は本当に誇れる事だと、春がやってくるたびしみじみ思うのです。


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十勝の景色
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