役目
雨が降るたびに木々も草花も力強さを増すこの頃は、むんっとした夏の香りも漂ってくるようになりました。2月の大雪のせいで折れてしまったり曲がってしまったりした植物たちも、ちゃんと若葉を茂らせ、花芽を大きくしつつあります。心配するほどのことではなかったと安堵しつつも、折れた枝を整理したりしながら、気づいたことがありました。
大雪で折れた枝のほとんどは、すでに固く乾いていて、新しい葉を出すこともなく、役目を終えたものばかりでした。そして、そのすぐ横に沿うようにみずみずしい枝が伸びていました。「あぁ~こうやって世代交代をしていくものなんだな~」と思う一方で、枯れた枝がなかったら、若い枝の方に雪の重量が全てかかって折れてしまっていたかもしれないと感じました。先ほど「役目を終えた」と書きましたが、人間側が不要になったと思い込んでいるだけで、枯れた枝にも、まだ若い枝を守るという役目がちゃんと残っていたのかもしれません。
自然は人間が考えている以上に巧妙な循環のシステムの中にあります。無駄なものなどはなく、その役目が変化していっているだけなのかもしれません。君たちの次の役目は、菌類の餌になって、ふかふかの土になっていくことかな?枯れ枝を集めながらそう考えてみたら、捨てるという発想が遠くなっていきました。どれほどの時間がかかるのかはまだわかりませんが、枯れ枝が土へ戻り、その土からどんな植物が生えてくるものなのか、今度はじっくり観察してみたいと考思います。
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