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冬の恋

 日曜の朝、起きたら外はほんのり明るく、でも空が澄んでいるのが見えました。よし!と気合いを入れて防寒着を着込み、カメラを抱えて外へ出ます。河川敷に到着する頃には、太陽も建物の隙間から見える位置まで昇ってしまっていました。マジックアワーには間に合いませんでしたが、太陽が高くなるにしたがって川霧が薄く立ち、木々の間からストライプ状に光を水面に映し始めました。その幻想的な景色の中を、北から渡ってきた鳥たちが水の流れに乗ってすいすいと泳いでいきます。
 なんと静かな風景・・・と、写真の中では見えるのですが、実際にはにぎやかな音も一緒に耳に届きます。「ピューウ、ピューウ」という声は、ヒドリガモのさえずりです。コガモやキンクロハジロも交えた集団の中から、しきりに聞こえてきます。ヒドリガモの額から頭頂部への褐色の羽は、遠くから見ると白っぽく時代劇の侍の頭のようにも見え、正面から見るととてもユニークです。顔の正面だけを見せられても鳥の種類を判別するのは大変そうですが、ヒドリガモはきっと間違えないだろうな~と思います。
 繁殖期のオスの鳴き声であるさえずりは、春に聞こえてくるものだと何となく思ってしまいますが、渡り鳥たちの中には、秋から冬にかけて一気に恋の季節へ突入していく種もいます。コガモやキンクロハジロは、今まさに、メスと同じ色彩のエクリプスから、鮮やかな婚姻色へ変わる途上のようです。きっと、日に日に彼らの恋の歌(さえずり)もにぎやかになっていくことでしょう。冬が深まると川霧が濃く立ち込めるのは、実は、彼らの恋の熱のせいだったのかも・・・などとも思えてきます。


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